新型コロナワクチン予約受付

当院では日常診療への影響を避けるため、当初は、遠方の集団接種会場までいけない方のために、1日6人だけに限定して接種予定でしたが、今回大幅に接種枠を増やして対応することに決めました。
当面はかかりつけ患者さんを優先させていただきますが、6月16日からはかかりつけ以外の方でも受け付け開始します。
通常の診察で来院される方にはおそらく多大なご迷惑をお掛けすることになると思いますが、今は100年に1度の一大事ですので、どうか御協力ください。
来週の月曜日から、予約申込が増える見込みですので、今日は臨時受付の予行練習を行いました。

このように接種枠を増やすことにした背景は、各務原市から今週届いた1枚のFAXでした。
頼りにしていた各務原市の集団接種ですが、5月末現在で、7月いっぱいまでの予約がほぼ埋まってしまったという危機的な報告でした。
しかも、予約がとれているのは市内の75歳以上の方のうち、まだたった1/4なのです。
まだ市内の74歳以下の方には接種券すら配布されていないのに、このままではいつまでたっても全員にワクチンが届かない、と強い焦りを感じさせられました。
コロナワクチン接種が進まないのは、当初はワクチンの入荷が遅れていたからですが、ワクチンが充分に自治体に配布された現在では、接種のスピードが上がらないことが問題になっています。
テレビのニュースでは、医者や看護師などワクチンの打ち手が足りていないからだと連日取り上げられて、歯科医師や検査技師を打ち手として養成するなんて言っていますが、それは本当に見当違いです。
実際、集団接種のお手伝いをさせていただいていると、医者や看護師自体は意外にも時間に余裕があり、時間内にもっと沢山の接種に対応できるのに、と感じさせられます。
今までインフルエンザ予防接種などの中心的な役割を果たしてきたのは、クリニックでした。
しかしコロナワクチンに関しては、日常診療にマイナスの影響が大きいため、接種が進まない大きな原因となっています。
インフルエンザワクチンとの違いを列挙すると、以下のような感じです。
・完全予約制であること・6人単位で予約がそろわないと発注できないこと・ワクチンの配布申請や接種後に膨大な事務作業が要求されること・廃棄が許されないためキャンセルの埋め合わせ対応が必要なこと・調剤したら6時間以内に接種しないといけないこと・接種後3週間後にも予約を確約しないといけないこと・接種後15分待機が必要なこと・アナフィラキシーを起こす確率がやや高いこと等々、難しいことばかりです。
特にクリニックでの接種を困難にしている部分が、予約にかかる膨大な事務負担と、それにかける人手が足りない事と、駐車場や待合スペースが足りないことです。
接種スピードを決める1番のポイントは、予約管理と会場の確保の部分であり、これは医療従事者でなくても出来る基本的な作業なのです。
クリニックは零細企業なので、人手も診療スペースも駐車場も全く足りません。
これを解決出来るのが予約作業も会場の確保もしていただける、自治体主導での集団接種なのですが、すでに市役所の方も精一杯頑張っておられて、それでも追い付いていない状況ですので、頼ってばかりもいられなくなりました。
クリニックでの接種枠を増やすことは、もしかしたら大変なことなってしまう自殺行為かも知れませんが、当院での限界まで、接種協力していきたいと思います。