新型コロナウイルス感染症対策
こんばんは、院長です。
令和2年3月6日から、当院では当面の間、発熱・咳症状の患者さんは自家用車で待機いただき、院内の隔離された専用スペースで診察させて頂くようにしました。
当院でせっかく発熱患者さんを分離しても、薬局で他の患者さんと居合わせてしまっては意味がないため、調剤薬局の先生にもご協力いただいて、お車までお薬を届けていただいております。
徒歩でご来院の患者さんは、院内の隔離された専用スペースでお薬をお渡ししております。
徹底して発熱・咳患者さんを分離することは、非常に時間と手間のかかる作業であり、診察や調剤の待ち時間が長くなっておりますが、ご理解いただけましたら幸いです。
当院ではマスクとアルコール消毒液の供給は2月中旬でストップし、現在も手に入らない状況で在庫はあとわずかです。
先日の立て付け騒ぎで、トイレットペーパーとティッシュペーパーまで手に入れることすら大変苦労しました。
岐阜県医師会が今週実施したアンケートでは、すでに在庫が尽きた医療機関は1割にも上るという事でした。
このような状況の中でも、行政からのマスク・消毒液の供給はまだありません。
保護具や消毒液が無い状態を放置していながら無責任にも、帰国者・接触者相談センターはほとんどの相談者へ、まずは開業医を受診するよう指示します。
そのため当院へも、新型コロナウイルス感染症ではないかと心配している患者さんが次々と来院されます。
ほとんどの開業医は、限られた狭い建物のなかで診療しており、帰国者・接触者外来を設置する総合病院のような、発熱患者さんだけ隔離できるような待合スペースはありません。
かといって、医者が発熱で困っている患者さんを受診拒否するわけにもいきません。
先日も、海外から帰国直後に発熱したという患者さんが、帰国者・接触者相談センターから開業医への受診を指示され当院へ来院されました。
幸いにもその方はインフルエンザBが陽性でホッとしましたが、このままでは本当に新型コロナウイルス感染症の患者さんが受診されるのも時間の問題だと感じました。
当院ではなるべく診察待ち時間を短くできるよう最善を尽くしていますが、それでも多数の初診患者さんが同時に重なったりすると、多い日では待ち時間が1時間近くになることもあります。
その中に新型コロナウイルス感染症の患者さんが一人でもいれば、ライブハウスやスポーツジムと一緒の状況ではないでしょうか。
当院へ定期通院されている患者さんや、内視鏡検査や健診のために来院される無症状の患者さん、および1日中院内で過ごす当院のスタッフを何とか守れないかと思案していました。
当院には、他の空間と完全に隔離されたスペースがあります。
そこは大腸内視鏡検査のための専用個室待合室と、内視鏡検査後の患者さんに休んでいただくためのリカバリー室です。
今回やむを得ず、このリカバリー室を「発熱・咳患者待機場所」に変更することに致しました。
内視鏡検査後の患者さんは、処置室のベッドで休んでいただくことになります。
内視鏡検査後の患者さんに快適に過ごしていただくために設計した自慢のリカバリー室を無くしてしまう事は、辛い決断でした。
しかし、実際やってみると、良い効果のほうが遥かに大きく感じられました。
一般待合室の患者さんが、安心して過ごされている雰囲気が伝わってきました。
発熱患者さんが院内で過ごされる時間を少しでも減らそうと急ぐ必要がなくなり、僕自身が診察に集中できるようになりました。
ご案内する手間などは相当かかり大変ですが、万が一新型コロナウイルスの患者さんが来院されても、他の患者さんや職員へ感染させずに済むように、この体制を続けていきたいと思っています。
ピノキオ薬局の伊藤先生にも、大変面倒な作業にも関わらず快くご協力いただいており、この場を借りてお礼の言葉を述べさせていただきます。
内視鏡検査などで当院に受診したくても、新型コロナウイルス感染症が怖くて来院を控えている患者さんもおられると思います。
胃がんや大腸がんなど、治療が遅れると怖い病気は新型コロナウイルス感染症以外にもたくさんあります。
当院ではできる限りの対策はさせていただいておりますので、マスクを着けた上で、是非御来院ください。