胃内視鏡(胃カメラ)
胃カメラとは
胃カメラとは、内視鏡(カメラ)を口または鼻から挿入(口であれば直径10mmほどの電子内視鏡)し、先端についている超小型カメラで明るい光を照らしながら、食道、胃、十二指腸の粘膜の表面を検査するものです。
この検査により、食道・胃のポリープやがん、炎症などを調べることができます。
胃カメラを挿入してから抜くまでにかかる時間はおおよそ3~5分程度です。
胃カメラのおおよその検査費用(3割負担の場合)
検査内容 | 検査費用 |
---|---|
胃カメラ検査のみ | 4,000~6,000円 |
胃カメラ+生検 | 7,000~12,000円 |
胃カメラ+内視鏡治療 | 12,000~16,000円 |
※3割負担の場合で、初診料や薬代などは含みません。
※検査費用は患者さんの状態や処置の内容などによって異なりますので、あくまでも目安に留めてください。
当院の胃カメラの5つの特徴
1. ご希望の方には
鎮静剤を投与
上記の極細径の胃カメラを使用しても、胃の中に空気が入る不快感が辛い方や、のどが敏感で嘔吐反射を起こしてしまう方がおられます。
そのような方のために、当院ではご希望する方に対して、検査の際に鎮静薬を使用して苦痛を軽くするように努めます。
鎮静剤を使用された方は、目が覚めるまで検査後院内で1~2時間休憩していただいてからお帰りいただきます。
お帰りの際にも多少の眠気が残りますので、自転車やお車の運転はおやめください(付き添いの方に送り迎えを依頼するか、タクシーをご利用ください)。
2. 経鼻内視鏡検査に対応
鼻から挿入する5.8ミリの極細径の胃カメラ(通常の胃カメラは9~10ミリ)を使用し、多くの方に苦痛なく検査を受けていただけます。
当院で採用の最新式の鼻からの胃カメラはハイビジョン画質であり、早期胃がんの発見率に関しては口からの太い胃カメラと変わりません。
さらには、鼻からの胃カメラでは嘔吐反射を起こしにくいため、観察中に検査画面がぶれず、嘔吐反射を起こしやすい口からの太い胃カメラよりも詳しい観察が可能な場合があります。
さらに、検査中に検査画面を見ていただきながら医師や看護師と会話が可能といった大きなメリットもあります。
鼻が狭くて通らない方、以前鼻からの検査で痛みが強かった方、または血液をサラサラにする薬を内服中で鼻出血の危険が高い方は口から胃カメラを挿入しますが、当院では口から挿入する場合も極細径の胃カメラで検査を行います。
そのため、通常の太い胃カメラよりも比較的楽に検査を受けることができます。
当院がなるべく楽な検査にこだわる理由は、胃がんは毎年いつ発生するかわからない病気なので、胃カメラは毎年の定期検査が必要だからです。
定期的に検査を受けてなるべく胃がんが小さいうちに発見することが重要です。
1度でも胃カメラで辛い思いをしてしまうと、その後検査を2度と受けなくなってしまい、がんが進行してしまう方がいます。
辛い検査を1度きり行うよりも、楽な検査を毎年定期的に受けていただきたい、そうした思いから、当院では鼻からの胃カメラ(極細径内視鏡)のみを採用しています。
3. NBI(狭帯域光観察)に対応
食道がんは、頻度は低いものの非常に進行が早く予後の悪い病気です。
従来の通常光では早期での発見は難しいがんでしたが、NBIの登場により、内視鏡的に治療可能なほど早期に発見できるようになりました。
特にお酒やタバコが危険因子として知られており、また咽頭がんや喉頭がんの治療を受けられた方も注意が必要です。
当院長は胃カメラの際には必ずNBIで観察しているため、実際に食道がんを早期に発見でき内視鏡で治療を受けていただくことができた方々を経験しております。
NBIは食道だけでなく、胃や十二指腸の病変についても、がんを疑うかどうかの診断の補助になります。
NBIがあることで、より精度の高い胃カメラを受けていただけます。
4. 検査には炭酸ガス
を使用
胃カメラを受けられたことのある方は、検査が終わってからもしばらくの間お腹に張りや痛みを感じ、トイレでたくさんのガスが出るまで苦しんだ様な経験があるかと思います。
それは、検査で胃や小腸の中をよく観察するために、空気を胃や小腸の中へ送りこむ必要があるためです。
空気は吸収されにくいため、検査後しばらくの間お腹の張りや痛みを感じるわけです。
当院では空気の代わりに、腸から体内へ速やかに吸収され吐息から排出される、炭酸ガスを使用しますので、検査後も腹部の不快感が長く続くことはありません(炭酸ガスにかかる費用は無償で提供しております)。
5. ヘリコバクターピロリ菌感染診断
当院長は内視鏡専門医・指導医でもあり、胃粘膜の状態を見ることで、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)による感染の有無を高い確率で予想することもできます。
ピロリ菌感染の疑いが強い方には、続いて尿素呼気試験や抗体検査など必要な検査を行い、感染の有無を診断します。
ピロリ菌は、胃がんの原因の8~9割、胃・十二指腸潰の原因の約5割を占め、また胃部不快感の原因のひとつでもあるので、発見されれば早期に除菌治療を受けることをお勧めします。
保険適応の2次除菌までで9割5分の方が治癒しますが、それでも治癒しなかった方にも自費診療での3次除菌に対応しています。
また、ペニシリンアレルギーで保険での除菌が出来なかった方や小児のお子様もご相談ください。
ピロリ菌の除菌が終了した後も、一度もピロリ菌に感染したことが無い方と比較すると胃がんの危険性は上回りますので、定期的に胃カメラによる検査を行うことをお勧めします。
毎年検査を受けていれば、万が一胃がんが見つかっても、胃カメラで治療できてしまうくらい初期の病変で見つかることが多いです。
胃カメラを受けた方が
よいとされる方の症状
- みぞおちの周辺が痛む方
- 胃の不快感・胸やけ・喉または胸のつかえ感がある方
- 吐き気・嘔吐・吐血の症状がある方
- 体重の急激な減少がある方
- 黒っぽい便が出るようになった方
- 貧血がある方
- 胃がん・食道がんになった家族のいる方
など
胃カメラでの検査・診断が
有効とされる主な疾患
胃カメラ検査を
受ける際の注意点
検査前日
- 前日の夕食は、なるべく早めに済ませるようにしてください。
- アルコールも控えることが好ましいです。
- 遅くとも午後9時を過ぎたら飲食、服薬をしないようにしてください。
検査当日
- 検査直前まで水分の制限はありませんが、水・茶またはスポーツドリンク以外はお控えください。
- リラックスして検査が受けられるよう、ゆったりとした服装でご来院ください。
- 当日鎮静剤の使用を希望される方は、自転車や自動車の運転はしないでください。
胃カメラ検査の流れ
胃カメラは挿入する場所(鼻か口)によって検査機器も手順も異なります。
経鼻内視鏡と経口内視鏡の基本的な流れを紹介していきます。
経鼻内視鏡検査(鼻からの胃カメラ)の流れ
検査当日
1検査前/事前準備
- 問診を行い、鼻からの胃カメラ検査を行うにあたり、リスクが伴わないかをチェックします。
※事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。 - 胃内を観察しやすくするために消泡剤を飲み、胃の中の泡を消して胃壁をきれいにします。
- 両方の鼻腔に局所血管収縮薬を噴霧することで、鼻腔粘膜の血管を収縮させて出血しにくくし、鼻の通りを良くします。
- 鼻腔に麻酔薬を注入し、局所麻酔を行います。
- 上着を脱ぎ、ネクタイやベルトを緩めるなど、首やお腹の緊張を解いて、ゆったりとした格好に着替えていただきます。
※メガネは外さなくて結構です。
2検査
- 左側を下にしてベッドで横になり、鼻から胃カメラを挿入します。
- 経鼻では、自由に口が動かせますので、医師らスタッフとの会話が可能です。
※鎮静剤をご希望になる方は、鎮静剤を注射してから検査を行います。 - 食道、胃、十二指腸を観察し、必要があれば組織を採取します。
- 検査中に口の中で溜まった唾液は、飲み込まずに口の横から流し出してください。
- 検査時間は、個人差はありますが、3~5分程度です。
3検査後
- 一通り観察を終えたら、体内から胃カメラを抜いて、検査は終了です。
- 当日検査後に結果説明・診察を行います。
※麻酔を使用された方は目が覚めるまで休んでいただいてからの診察となります。
経口内視鏡検査(口からの胃カメラ)の流れ
検査当日
1検査前/事前準備
- 問診を行い、口からの胃カメラ検査を行うにあたり、リスクが伴わないかをチェックします。
※事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。 - 胃内を観察しやすくするために消泡剤を飲み、胃の中の泡を消して胃壁をきれいにします。
- のどに凍らせた麻酔薬を含んでいただき、局所麻酔を行います。自然に溶けるまで安静にします。
- 上着を脱ぎ、メガネや入れ歯等を外します。ネクタイやベルトを緩めるなど、首やお腹の緊張を解いて、ゆったりとした格好に着替えていただきます。
2検査
- 左側を下にしてベッドで横になり、マウスピースをくわえます。そして口から胃カメラを挿入します。
※鎮静剤をご希望になる方は、鎮静剤を注射してから検査を行います。 - 食道、胃、十二指腸を観察し、必要があれば組織を採取します。
- 検査中に口の中で溜まった唾液は、飲み込まずに口の横から流し出してください。
- 検査時間は、個人差はありますが、3~5分程度です。
3検査後
- 一通り観察を終えたら、体内から胃カメラを抜いて、検査は終了です。
- 当日検査後に結果説明・診察を行います。
※麻酔を使用された方は目が覚めるまで休んでいただいてからの診察となります。
胃カメラ検査後の
注意点について
検査後の注意点
- 鼻からの胃カメラを受けた後は、鼻を強くかまないでください。
- 検査後、1時間程度は飲食を控えてください。
- 組織検査を行った方は、お食事は2時間以上たってからにしてください。
- 検査後2~3日は、アルコールや香辛料などの刺激物は控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
- 鎮静剤を希望される方は、自動車やバイク、自転車などを自分で運転してのご来院は控えてください。
胃・大腸カメラ検査の
ご予約
胃・大腸カメラ検査のご予約はお電話またはメールにて承っております。
不明な点やご質問などがございましたら、「受付窓口」または「お電話」にてお問い合わせください。
※体調不良の場合は、受付窓口またはお電話にてお申し出ください。